転職エージェントとは?

3月 28, 2020

転職エージェントとは?

世の中には転職活動をサポートする“エージェントサービス”というものがあります。

転職エージェントとは、企業側の採用活動と求職者側の転職活動の効率化を実現するため、エージェント会社が企業と求職者の間に入り、双方の希望条件をかなえるようにコーディネートする事業です。

CMや広告でも転職支援に焦点が当てられているので求職者のためのサービスのように思われがちですが、エージェントサービスは求職者と企業の両方に向けられた事業です。

具体的にどんな役割を担っているの?

企業の採用活動で一番ネックとなるのは当然「応募者の人となりがわからない」ことです。

入社後に「思ってた人物像と違う」となっても、一度入社を決めたら後では取り返しがつきません。
そのため企業側としてはできる限りそのようなミスマッチを防ぐために、きちんと応募者の人となりを理解した上で採否を判断したいと思っています。

しかし、だかといって応募者一人ひとりに対して丁寧に面接や能力テストをするのは非常に手間がかかってしまい大変です。

また、求人サイトや自社ホームページに求人を掲載しても、求めている人物像とかけ離れた人からの応募もたくさん来てしまうかもしれませんし、反対に応募自体が全然ない可能性もあります。

要するに“そもそも選考対象として妥当な人を絞るだけでも非常に大変”なのです。

そこで、エージェントが予め「キャリアコンサルタントのプロ」の目線で求職者を選別した上で企業に紹介することで、企業が採用活動で最初に直面するそのような壁を取っ払うことがエージェントの役割になります。

求職者に対してももちろんその人物に見合った求人を見繕うことがエージェントの役割の一つです。

加えて、求職者の人となりが企業にきちんと伝わるよう、履歴書や職務経歴書を添削したり面接に向けて一緒に対策を練ったりするなどして、アピールの仕方を教え込むことも求められます。

このように企業側と求職者側にそれぞれアプローチし、いくら相性が良くても本来であれば出会うはずがなかった、あるいは出会っていたとしても非常に手間暇かかっていたはずの企業と求職者を引き合わされることで企業の採用活動と求職者の転職活動を促進することがエージェントの存在意義になるのです。

エージェントに“専門性”を望むのはNG

というわけで求職者にとってエージェントは心強い味方なわけですが、だからといってエージェントに多くを望んではいけません。

エージェントは(必ずしも全員が資格を持っているわけではありませんが立場としては)プロのキャリアコンサルタントです。転職支援に関して豊富な経験やノウハウ、知見を持っています。

しかし当たり前ですがエージェントはエージェント会社の社員であって求人企業の社員ではありません。また、エージェントが紹介している業種・職種だってエージェント自身は基本的に全て未経験です。
すなわち様々な業種・職種に関する知識・知見を豊富に持っていても、それらは見聞きして知り得たものであって体験から得たものではないため、実際にその業界・職種の経験者と比べたら内容の薄いものしか持ち合わせていません。
企業に関しても基本情報は知っていてもそれ以上のことはその会社で働く人じゃないとわかりようがありません。
要するにエージェントというのは「専門性はないのが当たり前」です。

色々とサポートしてくれるのでつい質問を掘り下げしてしまう人がいますが、込み入ったことをエージェントに聞いても期待通りの回答を得ることはほとんでできないため、その点は肝に命じておきましょう。
でないと無駄にがっかりすることになってしまうかもしれません。

エージェント事業の売上の仕組み

そんなエージェントサービスですが運営会社はどこも株式会社です。
大手だとリクルートホールディングスや株式会社マイナビなどがあります。

もちろんハローワークのような公共事業ではありませんし慈善事業でもありません。運営会社は利益を追求しています。

ではどうやって売上を出しているのでしょうか。

求職者サイドは無料でこのサービスを利用することができます。ですのでもう一方のステークホルダーである企業サイドからお金をもらい事業を成り立たせているのです。

エージェント事業の売上の仕組みとエージェント会社の戦略判断(薄利多売or厚利少売)

転職エージェントという事業は一般的に「エージェントが求職者に求人を紹介し、その人が採用となった場合、企業はその人の初年度年収の1/3をエージェント会社に支払う」という仕組みになっています。
そのためエージェントは営業成績をあげるためにたくさんの求職者をなるべく高い給与で企業に売り込もうとします。

しかし、当然のことながら条件の良い求人ほど内定を獲得するのは難しいため、給与にこだわればこだわるほど転職活動は長引いてしまいます。
すなわちエージェントの立場では“好条件の求人にこだわると転職活動が長引いてしまい、手間がかかる分だけ件数を犠牲にしなければならず、反対に件数をこなそうとすると条件の良い求人では手間がかかりすぎてしまう”というジレンマに陥るのです。
要するに「件数を取るか、単価を取るか」を迫られるわけです。

しかし、内定者の年収によって売上が決まるといっても1/3に削られてしまうため、売上に100万200万くらい大きな違いが生まれないのであれば、エージェントとしてはどちらかというと敷居の低い求人を紹介してサクサク件数を稼いだ方が効率よく営業成績を上げることができます。

例えば年収400万円と450万円では、求職者にとって年収50万円の差は大きくてもエージェントの営業成績としてはわずか1割程度の15万円ほどしか差がありません。そのため、もし市場価値が年収400〜450万円ほどの求職者が年収450万円を希望したとしても、手間をかけて450万の求人にこだわるよりも400万円の求人を紹介してサクッと終わらせてしまおうというインセンティブが働くのです。

もちろんこれらは必ずしもではありません。求職者の市場価値を最大値(上記例であれば450万円)で見積もってくれるエージェントももちろんありますし、何より担当者に左右されることも多分にあります。

しかし“エージェントの言動の背景にはこういった事情がある”ということを知っておくとエージェントとも付き合いやすくなるかもしれませんのでぜひご参考までに。